太夫の稽古通い始めてもう2年経った。
最初は中学校のときに男役ばっかりだったから、当時やりたくてもできなかった清姫がやりたくて『日高川入相花王』を熱望して稽古して素義会に出て、
そのあと、お師匠さんから次何がやりたい?と聞かれて、
新しく習うなら全然知らない演目をゼロからやるのおもしろそう🎵思って、お師匠さんに見繕って頂いて、『義経千本桜』の椎の木の段をやってる。
その時はまだ『義経千本桜』って女義の演奏会ですしやの段を2回聴いたことがあるくらいで全然よくわかってなくて、
お師匠さんが決めてくれた新しい演目何かなぁ🎵とわくわくしながら稽古に行って、椎の木の段を初めて聴かせてもらった。全部理解はできなかったけど、なんか登場人物多くて多彩で面白そうと思ってわくわくしつつ、難しそうやけどこれ自分にできるんかな、、って気持ちもあった。家に帰ってきてさっそく読み始めたものの言葉の意味ほぼわからんw
最初は自分で意味調べて、それでもわからない言葉だらけで、どう解釈したらいいかわからなくて、それを三味線の同門の人に話したら、『文楽浄瑠璃集』という本を勧めてくれた。
さっそくamazonで検索したら中古であったので注文。
思ってた以上にすっごい詳しく訳とか人形の動きとかも載ってて感動✨
ほいで、この本持参で国立劇場の視聴室に行って文楽の椎の木の段の映像を3回くらい観て、悪者の印象が強かった権太が子供と木の実を拾ったり、散々小金吾らを強請っておいて、小金吾がかかっていこうとするとビビって隠れたり、嫁から悪事について小言言われてるときに、どこ吹く風で息子とのほほん遊んでたりするところに愛着感じて、この演目と権太がめっちゃ好きになったん💛
初めて『すしやの段』聴いたときは、なんで権太が急にそんな改心するのか腑に落ちなかったけど、あぁそっか、もともと根っからの悪人ではないのやなぁと。今もまだ人物を理解しきれてるなんてことはないのやけど、こんな愛嬌あるキャラだったのかと、義太夫の話はそんなんが面白いなぁと思ったり。
こうゆう、攻撃的だったり普段粗ぶってるのにたまに愛嬌見せるキャラ好き💛
もちろん鬼滅の刃は伊之助派w
ほいでこの椎の木の段の冒頭に出てくる、
若君六代疳疾に悩み給へば幸ひの茶店
って文があって、本によると「疳疾」は小児五疳の一で脾疳の病と書かれてる。
ネットで検索すると
神経が過敏になって、けいれんなどを起こす病気。疳の虫。
コトバンク癇疾・疳疾
とのこと。
みたいなこと言いながら玄関あがったとこに座ってその場で墨を擦って、弟の手のひらに筆でなんか複雑な字書いて、弟の手を合わせて、なんか唱えて、虫出てくるからみたいなこと言ってた。
去年このエピソードfacebookで書いたら、同じように小さいとき疳の虫取ってくれる人のとこに通ってたって淡路の同級生がいて、昔はそんな人あちこちおったのやろな。今でもいてるんかな。
淡路では子供の頃はいろいろ不思議なことがあったり聞いたりしてたそのうちのひとつ。
昔っつってもたかだか30数年前
人形浄瑠璃の話が作られた時の世の中や人の感性って、もっと不思議なことがあったり受け入れられたりしてたやろうな。この話書かれた時代でも疳の虫取りやってたんかな。若君もやってもらってたんやろか^^
父方のおばあちゃんからはよく狸に化かされた話を聞かされたし、お父さんからは、うちの実家の前にあった原田川は今はガードレールついてるけど、昔は柵とかなくて、なんか得体のしれないものに突き落とされる人がいて、それで街灯ついたとか、ほかにも福良の怖い話けっこう聞かされてて、お父さんは落ち武者見たとか言ってうなされたり。私もなんか福良に居た時得体の知れんものを見てた。福良って敦盛さんの首塚祀ってある煙島を囲ってるしなんかそんなことあっても不思議じゃない感じはする。
高校生のとき、この煙島で写真撮ったら、これはアカンのちゃうやろか?ってものが写ってもてお祓いしてもらったことある。そのうちその話も書こう。福良の怖い話おもしろそうやし。
そんなわけで、私のアタマの中では若君は小さいときの弟で再現されてる。小さいときから色黒でデカくて無駄に存在感あった私とは真逆で、色白で細くて繊細で、よく私と弟が逆だったらよかったのにって言われてたw
こないだ稽古の後、お師匠さんが人物をどう理解するかとか最後の一文字の言い方で表現するとかって話をしてくださってて、まだまだ私は理解するには至らず、稽古でお師匠さんから言われたこと意識したり出来るようにならないとなぁと思いつつ、自分の見てきた人に重ね合わせてイメージしてたり。
ちなみに権太は子供の時から身近にいた福良の漁師のオッサンらからイメージ作ってるw
いろいろ荒いし酒飲みやしめちゃくちゃやけど、漁は命がけ。声がデカくて豪快でおもっしょい福良の漁師🎵